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更年期になると、急激にホルモンの分泌量が減少します。

 

■2つの女性ホルモン
卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンという二つのホルモンが、月経の周期を調整しています。そして、これらのホルモンをコントロールしているのが、脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンです。
これまで女性ホルモンで守られていた身体には、防波堤がはずれたように一気に異変が出てきます。
卵巣が指示通りにホルモンを分泌できないため、月経周期が乱れたり経血量が変化したりします。その対応にとまどう脳の視床下部は「自律神経を整える」余裕がなくなり、ホットフラッシュや動悸、冷え、イライラなどとして、 心身に影響を及ぼすようになります。
ひどい症状が現れてしまっても、自分なりの対処法を見つけておくと少し気持ちが楽になるものです。そのためには、更年期障害がどのような理由で起こるのか基礎知識を知り、理解しておくことも大切です。

 

起こってくる様々な症状にはエストロゲンの減少によるものが多いので、婦人薬をベースに使いながら、困っている症状に合わせて漢方薬を処方し対処していきます。

 

■ほてり・のぼせ・汗
ホットフラッシュ
激しい運動をしているわけでもなく、暑いわけでもないのに起こる、顔のほてりや異常な発汗。
周囲の環境や身体的な状況に関係なく、急にのぼせたような感覚が起きるのは更年期障害の悩みで一番に挙げられるホットフラッシュと呼ばれる身体的な症状です。
しかも、ひとつだけが出るわけではなく、めまいや動悸、不眠など、たくさんの症状が一度に起きることもあるので、身体的にも精神的にもパニックを起こしてしまいます。

ホットフラッシュの現れ方には個人差があり、いつどんな状況で起きるかわからないタイプ、いつも同じ時間になると起こるタイプ、仕事や家事などに集中しているときに起こるタイプなど。
さらに、症状の強さや状態も様々で、顔が赤くなりほてる感じがある人、全身がカーッと熱くなって汗が止まらなくなる人など、様々なタイプの方がいらっしゃいます。
いずれにせよ、その場の状況にそぐわない発汗やほてりが起きるので、自分自身でも強い違和感がありますし、周囲の人から心配されることもあり、気になって出かけることが億劫になってしまう方もいらっしゃるようです。
日常生活に制限や支障をきたすようになると、ちょっと重症です。気になる方はご相談ください。

 

ホッとフラッシュの原因
ホットフラッシュの原因のひとつは、女性ホルモンが低下したことによる、自律神経の乱れだと言われています。
自律神経は、全身の血管を収縮したり拡張したりして、血流を促す役割を果たしていますが、この自律神経が、本人の置かれた状況とは関係なく興奮してしまうことで、血流が必要以上に促進されてしまうのです。
特に、上半身の血管に関連する神経が興奮すると、脳の血流量が多くなり、のぼせやほてりが起きるとされています。

 

ホットフラッシュにおすすめ対処法
ホットフラッシュが起きてしまったときは、まずはほてりや汗を早く止めたいものです。
ホットフラッシュが気になる方は、いざという時のために、普段からウェットティッシュや汗ふきシートなどを持ち歩いていると安心です。そして症状が起こった時は、保冷剤や濡れたものなどで首筋を冷やすと、 体感温度が下がり症状が少し楽になります。

 

漢方薬
漢方を使って症状をやわらげる対処法もあります。
またホットフラッシュが起きる体質を改善する対処法もあります。
ホットフラッシュの改善によく使われる漢方薬には「チョウケイ錠」、「フラーリンL錠」、「フラーリンA」などがあり、本人の体力や強く出ている症状に合わせて処方されます。

 

■頭痛・めまい・耳鳴り
頭痛
更年期障害のなかでもよくある悩みの頭痛は、女性ホルモンの減少でホルモンバランスや自律神経が乱れることや、エストロゲンで守られてきた血管の動脈硬化などにより脳への血流が不安定になってしまうことで起きるとされています。
頭痛だけが起きる場合や、起き上がれないほどの激しい頭痛は、ほかの疾患が原因となっていることも考えられますので、注意しましょう。

 

更年期のめまい
更年期になってエストロゲンが急激に減少すると、エストロゲンを分泌するように指令を出す脳の部位・視床下部がパニックを起こし、そのため視床下部が同時にコントロールしている自律神経までが乱れます。
この自律神経の乱れがめまいや耳鳴りを引き起こします。
そのほか、疲労や睡眠不足、精神的ストレスなどが引き金になることもあります。
また更年期以降は、エストロゲンによる血管保護作用が減少するため、血管の動脈硬化が進み、血液の流れが悪くなることも更なる原因となります。

 

★ 回転性めまい
突然、周りの景色や天井、壁などがぐるぐる回っているように感じる。・吐き気を伴うこともあり、30秒~60秒で治まる。
回転性めまいは、主に耳が原因で起こる症状です。耳の中にある三半規管(平衡感覚を司る器官)の中に「耳石」と呼ばれる炭酸カルシウムの粒が入り込んで引き起こされる状態で、更年期にかかりやすいと言われています。
エストロゲンは骨からカルシウムの消失を防ぎ、腸管からのカルシウムの吸収を助けています。閉経後の女性はエストロゲンの減少で、カルシウム不足となり、耳石がはがれやすいからとも言われます。
予防策としては、・カルシウムを摂取すること。・日頃から運動をして体を動かすこと・首~頭をぐるぐる良く回すようにして、耳石がくっついて大きくならないようにすることなどがあります。
めまいは首・肩のこりとも関係している場合もあるので、首から肩にかけて筋肉の緊張をほぐすと、めまいの改善になります。

 

★浮遊感をともなうめまい
雲の上を歩いているような、フワフワ浮いているような感覚・船に乗っているようなユラユラ揺れているような感覚・長時間繰り返し続く場合が多い・肩こり、首のこりを伴うこともある浮遊感をともなうめまいは、 視力障害、脳腫瘍、脳梗塞、脳血栓などの脳血管障害や、うつ病などの心因性の病気、高血圧、自律神経の乱れなどが原因のこともあります。

 

★立ちくらみのめまい
急に立ち上がった時に身体がフラフラと不安定になります。自律神経調節不全、貧血、低血圧、高血圧気味の人の急激な血圧低下、生理前や更年期などに生じます。

 

■更年期に起こるめまいの特徴
更年期になってエストロゲンが急激に減少すると、エストロゲンを分泌するように指令を出す脳の部位・視床下部がパニックを起こし、そのため視床下部が同時にコントロールしている自律神経までが乱れます。
この自律神経の乱れがめまいや耳鳴りを引き起こします。
そのほか、疲労や睡眠不足、精神的ストレスなどが引き金になることもあります。
更年期以降は、エストロゲンによる血管保護作用が減少するため、脳の動脈硬化が進み、血流の流れが悪くなることも原因のひとつです。

 

めまいはどうすれば防げる?
日頃から軽い運動やストレッチをする・規則正しい生活習慣・睡眠をしっかり取る・過労・過度のストレスを避ける・精神的な面でもゆとりのある生活をする。

 

症状がひどい時の対処
現れる症状には個人差がありますから、ご自身が気になる症状を常にチェックしておき、自分なりの対処法を普段から考えておけば、更年期障害も怖くありません。明るく元気に更年期を過ごすためにも、 自分の症状と向き合うことから始めてみましょう。

 

漢方薬
ライフスタイルを変える工夫と共に、更年期障害を緩和する漢方薬を試してみることもおすすめ。
自律神経の乱れを整える効果のある成分を配合したサプリなども毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょう。

 

■更年期に起こる様々な症状
また、エストロゲンの減少により、肌や髪にも変化が起こります。
さらに動脈硬化や骨粗鬆症なども起こりやすくなります。
最近の研究では、アルツハイマーとの関連性なども指摘されています。

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