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女性ホルモンは思春期になると急激に増え、50歳前後には急激に減ります。
このような年齢による変化と環境などにより変化します。そして月経はそのような変化を教えてくれる貴重なバロメーターでもあります。
またホルモンバランスの乱れから、体調に変化が起こります。

■二つの女性ホルモン、そのはたらきは?
この女性ホルモンですが、月経周期を調整するのは卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という二つのホルモンです。
またこれらのホルモンをコントロールするのは、視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン放出ホルモンとそれにより脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンつまり卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンとなります。
生理や妊娠だけでなく、それにまつわるカラダの不調、お肌のトラブル、ココロの不快症状まで、実はかなり女性ホルモンの影響を受けています。
エストロゲン
思春期に分泌量が急激に増加し、生理が始まります。また乳腺を刺激し、乳房を膨らませ、女性らしい体つきや、ツヤツヤした髪や肌を作る働きや血管や骨の健康を維持したり、精神状態を安定させたりする作用もあります。
プロゲステロン
受精卵が着床しやすいように子宮内部を増殖させたり、環境を整える作用があります。

冷え、不眠、頭痛、生理痛、めまい、ニキビ、便秘、疲労倦怠感などは、複数の症状が重なって発症し、不定愁訴といいますが、多くの女性を苦しめることになります。このように女性ホルモン(エストロゲン)の増減により、各々の年代によく起こる症状を女性ホルモンの状態によって、5つの世代に分けてみました。

1)初経と思春期
多くの女性が14歳ごろまでに初めての生理(初経)を迎えます。カラダが急激に変化するため、ココロとカラダのアンバランスにとまどう人も多いのがこの年代。
強い生理痛
生理が始まったばかりの数年は周期が安定しないことが多く、ほとんどが無排卵性月経です。
周期が安定して排卵をともなう生理に移行すると、性成熟期と呼ばれる時期に入ります。
一方で排卵が始まると生理痛を感じる人が増えてきます。
これは、子宮の収縮が強く起こるために感じるからで、病気ではありません。
学校や仕事に行くのもつらい、起きていられないほどの生理痛が強い場合は、月経困難症といいます。
生理不順
とりあえず初潮はあったものの何ヶ月も次の生理が来ないという相談もあります。
また生理の回数を重ねるごとに生理痛がひどくなって・・・。というケースもあります。
冷えのぼせやニキビ
腹痛や冷え
急激なダイエットのコワサ
身長の変化が終わっても、卵巣機能や子宮の大きさは発達を続けています。
この年代の急激なダイエットは卵巣機能の成熟に大きなダメージを与えてしまい月経不順を長期化させることになります。
それにより生涯にわたる骨密度の低下を招くことにも。
また過食や拒食などの摂食障害の始まりもこの時期に重なるので、メンタルケアーも含めた健康的なダイエットが必要となります。

2)安定期・成熟期
ホルモンのバランスが整っていちばん安定している状態
ホルモン分泌量が20代前半からぐっと増え、20代後半から30代半ばにかけてピークになります。
妊娠や出産に適している時期ですが、だからこそ、女性ホルモンにふりまわされる時期でもあります。
表面にあらわれる様々なトラブルにうまく対処して、もっともきれいな時期を女性らしく輝いていただきたいと思っています。
生理前の体調不良やイライラ
月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)
出産経験のある30代に多いといわれる月経前症候群(PMS)。毎月生理の数日前になると決まって不快な症状があらわれて、日常生活に支障をきたす場合をPMSといいますが、症状には、腹痛や頭痛、乳房痛、むくみなどのカラダに出る症状と、イライラや情緒不安定、うつ、注意力散漫などの精神症状があり、特に心の症状が強くなった場合を月経前不快気分障害(PMDD)と呼んで最近は区別しているようです。
生理前になると家族に当たってしまう、会社に行けなくなる…という人は注意してください。
若い女性のうつが多くなっていますが、PMDDの場合も多いのでは?と考えられます。
子宮内膜症
子宮内膜症は子宮内膜によく似た組織が子宮内膜以外の場所にできる病気です。
子宮内膜と同じようにエストロゲンの分泌の周期変化に伴い、病巣が増殖して、月経時にはがれ落ち、出血して治り、また病巣ができるということを繰り返します。
20?40代に多く生理痛、過多出血、塊の出血、性交時の痛み、不妊などを伴います。
子宮内膜症があればプロスタグランディンが子宮筋肉で多量に作られています。
このプロスタグランディンには子宮の筋肉を収縮させて、虚血状態(血流の低下した状態)にする作用が認められ、子宮内膜症の人によく起こる強い生理痛はこうした プロスタグランディンの作用と考えられています。
生理不順
足腰の冷え
冷えのぼせ
子宮筋腫
子宮筋腫などの婦人科の病気にかかる人も増えてきます。
子宮筋腫は子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、30才以上の女性の4人に一人は筋腫を持っているといわれています。
自覚症状のない場合も多いですが、不正出血、過多出血、下腹部の痛み、腰痛、排尿異常などの自覚症状を伴います。
特に過多月経の場合は、外出できなかったりして行動を著しく束縛します。
冷え
冷え性の原因は血流が悪い、温躯作用が弱い、脾臓・胃の虚など色々な原因が考えられますが、どちらかと言えば、多くの女性が訴える症状のひとつです。
女性に冷え性が多い理由に、女性ホルモンの乱れから自律神経に失調を来し、その結果末梢の血流障害が起きて、冷えの原因となるからと考えられています。
漢方的には冷えは万病の元と考えられ、お血、腎虚、脾虚、水毒などの見方で冷えの原因を探り、対処していきます。
◆結婚や妊娠・出産など環境変化による月経不順や、共働きの女性が多くなり、仕事により帰宅時間が遅いため就寝が遅くなる生活の乱れなどでの気力低下や、仕事上の人間関係のストレスなど慢性の疲れを抱える方が多くなります。多忙な時期ですが、体調管理が大切です。
◆ホルモン変調や基礎代謝の低下で太りやすくなってきます。太ってしまう前に食生活を改善して、健康的なダイエット習慣を身に着けると生涯役立ちます。

3)プチ更年期
本当の更年期ではなくて、更年期と同じような症状でなやまされるのでこのような表現をするのだと思います。
日本人女性は10?15歳くらいで初潮を迎え、50歳前後で閉経します。閉経をはさんだ前後5年(45歳から55歳)を更年期といい、この時期には更年期障害が現れます。
ところが、最近は30代後半で閉経を迎えてしまう、「早発閉経」の人が増えてきました。女性ホルモンの分泌が低下して、更年期と同じ症状が現れるため、今流行の表現ですが、「プチとかプレ更年期」などとも言われています。
ホルモンの分泌のピークが過ぎて少しずつ老化がスタートしてきます。閉経への準備段階も気になりますが、早く異変の現れる人と、全く身体の変化のない人にわかれてくる時期です。
疲れや睡眠不足が重なるとこたえます。

◆プチ更年期とは?
プチ更年期では、子育て・多忙な仕事・人間関係・介護疲れなどのストレスが原因となり、脳下垂体から性腺刺激ホルモンそのものの分泌が低下します。
特にプチ更年期ではストレスなどの影響で副腎からコルチゾール、副腎髄質からアドレナリンが分泌され、これらが血中に増えると、それにより女性ホルモンの分泌が減少します。
そして内分泌器官を刺激するホルモンも減少するので、甲状腺ホルモン分泌量も低下しがちとなります。
そのため疲れやすくなったり、体調に波が出やすくなります。
生理痛や頭痛
慢性疲労
不眠・不安感、生理前のイライラ
◆婦人科検診で子宮・卵巣チェック!
日々の家事や育児、仕事などに追われて、ついつい後回しにしてしまいがちな自分のからだですが、人生の折り返し地点を気持ちよく軽やかに過ごすためにも、この時期は少しずつ起こる体の変化を受け止めながら、病気を知らせる大切なメッセージなのか加齢による変化なのかに注意を払っていく必要があります。
何かの異常があったときに婦人科検診が必要となります。

4)更年期
≪体の更年期症状(ほてり・目まい・耳鳴り・動悸・息切れ)≫
≪心の更年期症状(イライラ・不安・うつ・不眠)≫
【更年期の心と身体の不調】ページに詳しく記載しております。
急激に女性ホルモンの分泌が減少します。
加齢などで卵巣機能低下が起きる更年期には、卵巣が脳からの指示とおりにホルモンを分泌することできないため、月経周期が乱れたり経血量が変化します。その対応にとまどう脳の視床下部は「自律神経を整える作用」に余裕がなくなり、ホットフラッシュや動悸、冷え、イライラなど心身への影響を及ぼすようになります。
またエストロゲンにより、肌や髪にも影響が起こります。さらに動脈硬化や骨粗鬆症なども起こりやすくなります。
自律神経の乱れや疲労感
血圧の上昇
不眠・不安感
ホットフラッシュ
髪が薄くなる
◆女性ホルモンで守られていた身体が、この年代になると防波堤がはずれたように一気に異変が出てきます。
起こってくる様々な症状はエストロゲンの減少によるものが多く、自律神経の関係する症状が多くなります。
子どもの進学・就職などの心配に加えて両親の介護など心身ともに疲弊する年代です。
◆子宮ガンなどの発症も多くなります

5)老年期
やっと更年期も過ぎたとホッとしていませんか?
実はエストロゲンが減少したことに身体が慣れただけで、本当の更年期はこれからです。
この年代に起こる様々な症状には骨密度の低下(骨粗鬆症)膣粘膜の萎縮(膣掻痒症)尿失禁など、若い年代にはエストロゲンで守られていた、皮膚、粘膜や骨、脳などに一気に様々な症状が出てきます。
そうはいっても若々しく元気な心で老いを前向きにとらえ、楽しむことも大切なことです。
関節の痛み
骨密度の低下
ロコモティブ症候
粘膜の萎縮による陰部が痛い
粘膜萎縮による尿漏れも

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